デザイナーズ物件と雨漏りのリスク


 

 

 

近年の戸建住宅は、デザイン性を重視した建物が多く見受けられます。

今回は、そんなデザイナーズ物件と雨漏りのリスクの関係についてお話しします。

 

【雨漏りの統計】

住宅保証機構がまとめた保証事故の統計から、これまでの雨漏りの件数を拾い出し、雨水の侵入個所を「屋根」と外壁や開口部といった「外壁側面」に分けて整理した結果、2007年以降は、屋根からの雨漏りよりも、外壁側面からの雨漏りの方が5倍近く増えていることが確認されています。

 

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【雨漏りの原因】

外壁からの雨漏りの主な浸水経路としては、外壁のひび割れ、開口部、配管や配線などの貫通部分、バルコニーなどがあります。

 

住宅側面に該当する部位での雨漏りトラブルの背景にはいくつかの理由があるようです。

 

軒の出の長さや屋根の形状の違いによる雨掛かり1が、雨漏り発生のリスクを高めている主な原因です。特に軒の出が少ない家屋は、外壁側面の雨掛り量が多くなります。軒の出幅に関しては、60〜90cmが理想的な出幅となりますが、最近の建売り戸建住宅では、軒の出幅が15cmという家屋もよく見かけます。

 

軒の出の長さだけでなく、屋根の形状や勾配の違いでも、雨掛りの多い個所や範囲は変わります。つまり、軒や庇を十分に確保せず、複雑にデザインされた屋根や下屋を設けた住宅は、雨漏りトラブルに関係してくるということです。

 

外観を重視するあまりに、雨仕舞2への配慮や防水施工の品質確保が十分でない場合は、後に雨水が侵入して雨漏りが発生します。これらのトラブルを回避するためにも、設計から施工の段階で雨仕舞や施工の不具合などを未然に防ぐことが必要です。

 

 

※1 雨が降れば、常時濡れてしまう場所のことです。

※2 建築用語の1つで屋根や外壁、アルミサッシなどから雨水が住宅内部に浸入をしないようにすることです。


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